傳 光 録 首章
首章 釈迦牟尼佛
釈迦牟尼佛、見明星、悟道して曰く。
我と大地有情と同時に成道す。
傳 光 録 第一章
第一章 第一祖摩訶迦葉尊者
第一祖摩訶迦葉 ( マカカショウ ) 尊者、因みに世尊拈華瞬目し、
迦葉破顔微笑す。
世尊曰く。吾に正法眼蔵涅槃妙心あり。摩訶迦葉に付属す。
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傳 光 録 第二章
第二章 第二祖阿難陀尊者
第二祖阿難陀 ( アナンダ ) 尊者、迦葉尊者に問うて曰く、
世尊金襴の袈裟を伝うる外、別に箇のなにをか伝う。
迦葉、阿難と召す。阿難応諾す。
迦葉曰く。門前の刹竿を倒却着せよ。阿難大悟す。
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傳 光 録 第三章
第三章 第三祖商那和修尊者
第三祖商那和修 ( ショウナワシュ ) 尊者、阿難尊者に問う。
何物か諸法本不生の性なる。阿難、和修の袈裟角を指す。
又問う、何物か諸佛菩提の本性なる。
阿難また和修の袈裟角を取って引く。時に和修大悟す。
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傳 光 録 第四章
第四章 第四祖優婆キク多尊者
第四祖優婆キク多 ( ウバキクタ ) 尊者、和修尊者に執事すること三載。
遂にために落髪して比丘となる。尊者因に問うて曰く。
汝、身の出家か、心の出家かと。
師曰く。実に是れ身の出家なりと。尊者曰く。
諸佛の妙法、豈に身心に拘らんや。
師乃ち大悟す。
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傳 光 録 第五章
第五章 第五祖提多迦尊者
第五祖提多迦 ( ダイタカ ) 尊者曰く。出家は我々なきが故に、
我々所なきが故に、即ち心不生滅の故に、即ち是れ常道なり。
諸佛もまた常なり。心に形相なし。その体もまた然り。
キクタ曰く。汝、当に大悟して自心に通達すべし。
師乃ち大悟す。
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