傳 光 録  第十一章



第十一祖富那夜奢尊者

第十一祖富那夜奢 ( フナヤシャ ) 尊者、合掌して脇尊者の前に立つ。
尊者問うて曰く、汝いずれより来るや。師曰く、我が心、往に非ず。
尊者曰く、汝いずれの処に住するや。師曰く、我が心、止に非ず。
尊者曰く、汝不定なるか。師曰く、諸佛もまた然り、
尊者曰く、汝は諸佛に非ず。諸佛もまた非なり。師、この言を聞き、
三七日を経て修行し、無生法忍を得たり。
尊者に告げて曰く、諸佛もまた非なり、尊者に非ず。
尊者聴許して正法を付す。


 

傳 光 録  第十二章



第十二章 第十二祖馬鳴尊者

第十二祖馬鳴 ( メミョウ ) 尊者、
夜奢尊者に問うて曰く、我れ佛を識らんと欲す。
何者か即ち是なる。尊者曰く。
汝、佛を識らんと欲せば、識らざる者是なり。
師曰く。佛既に識らず、焉んぞ是なることを知らんや。
尊者曰く。既に佛を識らず、焉んぞ不是なることを知らん。
師曰く。此は是れ鋸の義。尊者曰く。彼は是れ木の義。
また問う。鋸の義とは何ぞ。師曰く。師と平出す。
又問う。木の義とは何ぞ。尊者曰く。汝、我れに解せらる。
師、豁然として省悟す。



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傳 光 録  第十三章



第十三章 第十三祖迦毘摩羅尊者

第十三祖迦毘摩羅 ( カビモラ ) 尊者、因に馬鳴尊者、佛性海を説て曰く。
山河大地、皆依って建立し、三明六通、茲に由って発現すと。
師聞いて信悟す。



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傳 光 録  第十四章



第十四祖竜樹尊者

第十四祖竜樹尊者、因に十三祖竜王の請に赴いて如意珠を受く。
師問うて曰く。此の珠は世中の至宝なり。
これ有相なりや、無相なりや。
祖曰く。汝ただ有相無相を知って、この珠、有相に非ず、
無相に非ざることを知らず。
また此の珠、珠に非ざることを知らず。師聞いて深悟す。



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傳 光 録  第十五章



第十五章 第十五祖迦那提婆尊者

第十五祖迦那提婆 ( カナダイバ ) 尊者、竜樹大士に謁す。
将に門に及ばんとす。
竜樹これ智人なりと知って、先ず侍者を遣わし、
満鉢の水を以て座前に置かしむ。
尊者之を観て即ち一針を以て投じて之を進めて相見し、忻然として契会す。



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