道元禅師語録  六



上堂。

忽、佛法の二字を聞くも、早是に我が耳目を汚す。
諸人未だ法堂に到らざるに、すでに三十棒を喫し了れり。



是の如くなりと雖然、山僧、今日またこれ衆のために力を竭さん。
喝一喝して、下座す。



 

道元禅師語録  七



上堂。

釈迦老子道く、「 明星現ずる時、我と大地衆生と同時に成道す 」 と。
且く道え、作麼生がこれ成ずる底の道。



もし人会得せば、釈迦老子慚愧を著くるに処なけん。
なんとしてかかくの如く為る、速かに道え速かに道え。



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道元禅師語録  八



上堂。

直道本来無一物。
誰知遍界不曾蔵。



下座。



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道元禅師語録  九



開炉上堂。

興聖が炉鞴開帳す、
佛祖これを跳れども出でず、
箇中の意旨を問うことあらば、
今朝は十月初一なり。



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道元禅師語録  十



上堂。

挙す。
般若多羅尊者を請して斎する次、王乃ち問う、
「 諸人尽く経を転む、尊者なんとしてか転まざる 」。



尊者曰く、「 貧道は、出息衆縁に随わず、入息陰界に居らず、
常に是の如きの経を転むこと百千万億巻なり 」 と。



師挙し了って云く、更に道理を説いてみよ。



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