無 門 関  第一



第一 趙州狗子

趙州和尚、因みに僧問う、

『 狗子に還って仏性有りや 』

州云く、『 無 』


 

無 門 関  第二



第二 百丈野狐

因みに学人問う、

『 大修行底の人還って因果に落ちるや 』。
某甲対えて云く、『 因果に落ちず 』。五百生野弧身に堕す。


今請う、和尚一転語を代わって貴えに野弧を脱せしめよ、と。


遂に問う、『 大修行底の人還って因果に落ちるや 』。
師云く、『 因果を昧さず 』。老人言下に大悟。



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無 門 関  第三



第三 倶胝竪指 (和訳)

倶胝和尚は、誰かれとなく挑戦的な問答を仕掛けてくると、 決まって指を一本立てられた。



倶胝の処に居た童子が、ある時外からやってきた客に、 『 ここの和尚はどのように仏法の肝要を説いておられるか 』 と 尋ねられ、直ちに指を一本立てて見せた。



これを聞きつけた倶胝和尚は、刃をもって童子の指を切りつけた。 童子は、痛みに堪えず号泣して走って逃げた。



すると倶胝和尚は『 おい、おい 』 と童子を呼びとめた。 童子が振り向くと、今度は、倶胝和尚がすっと自分の指を立てられた。 その途端に童子はいっぺんに開梧してしまった。



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無 門 関  第四



第四 胡子無鬚

或庵曰く、「 西天の胡子、甚に因ってか鬚無き。」


無門曰く、「 参は須らく実参なるべし、悟は須らく実悟なるべし。
者箇の胡子、直に須らく親見一回して始めて得べし。
親見と説くも、早く両箇と成る。」



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無 門 関  第五



第五 香厳上樹

香厳和尚云わく、人の樹に上るが如し。
口に樹枝をふくみ、手に枝をよじず。
脚、樹を踏まず。



樹下に人有って、西来意を問わんに、
対えずんばすなわち他の所問にそむく。
もし対えなば、また喪身失命せん。
正いんもの時、そもさんか対えん。


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